新ゴ、ロダンのお父さん?ゴナフォントについて!

毎日暮らしていく上で、必ず目にしている沢山の文字。

でも、そんな文字が実は少しずつ変化していることをご存知でしょうか。

ゴナ
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こちらの文字は、「ゴナ」というフォント。
このゴナは、90年代くらいまで、日本中ありとあらゆるところで使われていました。
本の中の文字、お店の看板、道においてある標識など、かなりの確率でゴナを使っていたのです。

ゴナにはそれ以前の文字の常識を覆して、英文との統一感のため均一な太さの直線を使って作られた文字だという特徴があります。

比較画像
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左が従来の日本語のゴシック体。
右がゴナ等の直線的なゴシック体。

左側の文字は、先端が少しだけ太くなっています。
書き文字に近く、ピシッとしたイメージになります。
それに対しゴナ等の均一な直線で構成されたゴシックは、より記号的でモダンな印象を受けます。
場面を選ばない使いやすさがあるかと思います。

しかし、時代の移り変わりとともにゴナは姿を消していきます。
時代の変化でゴナが古くさい形になってしまったのでしょうか?

実はそうではないのです。
ゴナは写研という会社が作成した「写植」という印刷方法に用いられるフォントで、現在主流になっている印刷方法の「DTP」には対応しなかったという事情がありました。
※「DTP」とは、Illustratorなどのグラフィックソフトを使った、いわゆるデジタルな印刷方法のことです。

これには、写研という会社の理念など、様々な理由があったと言われていますが、この決断が、ゴナというフォントの命運を決めることになります。

印刷物が写植からDTPに移り変わる際に、広く使われているゴナが使えなくなってしまうことが、ネックになっていました。
そこに登場してくるのが、DTP方式にも対応した、下の新ゴというフォントでした。

新ゴ
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このフォントも、ゴナと同様のコンセプトで作られたフォントで、直線で構成されています。
たしかにゴナによく似ています。
よく似ているが故に、DTPで文字組みをする際に、ゴナを使っていた箇所は、こちらの新ゴに置き換えられてしまったそうです。
現在では、少年ジャンプの文字や、東京メトロを始め駅の看板などの文字、例をあげればキリがないほど、新ゴだらけになっています。

新ゴはダメなフォントというわけではなく、むしろ非常によいフォントだと思います。
ゴナと比較すると、少しだけ丸みを帯びた形をしていて、かわいらしさや親しみやすいイメージを受けます。
(個人的には、使いどころを間違えるとふざけているみたいになってしまうので、注意が必要だと思いますが。。。)

しかし、いくら新ゴがゴナに似ていても、ゴナだけの持つ味というものも確かにあったのではないかと思います。
利便性から使われるツールは変化します。
でもその巻き添えを食って、文字までもが変わっていってしまうのは、仕方がないとはいえやはり寂しいものがあります。
フォントには流行り廃りはあれど、消費期限はないので、良い文字は長く広く使われていってほしいものです。

ちなみにこの、ゴナというフォントは製作者の中村さんのゴシック体という意味らしいです。
(ゴシック・ナカムラ、でゴナ!)

古い看板などにはまだまだ使われているのですが、意識してよーく見ないと新ゴと見分けるのは難しいですね。
ぜひ探してみてください!

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