定番日本語フォント45種類の特徴や使い方を見本付きで解説

フォントの選び方

はじめに

文字を使ったデザインを行う際には、沢山のフォントの中から一つを選択しなくてはなりません。

ですが大量にインストールされているフォントを一つ一つ確認していると、
非常に時間がかかり、効率が悪くなってしまいます。
よく使われているフォントや、自分が使いやすいフォントを、ある程度覚えておくと、作業がスムーズに進められます。

今回は日本語のいくつかのフォントについて、特長と使い分けの方法について説明します。
みなさんのデザイン作業の参考にしていただければ幸いです!


ゴシック体のフォント

ゴシック体
縦画も横画も同じくらいのふとさの文字です。
線の先端にかすかに装飾がある場合もありますが、基本的には均一な線で構成された文字です。
ゴシック体の文字を使うと、以下のような印象が与えられます。

ゴシック体全般

シンプル、均一、目に入りやすい

太いゴシック体

力強い、元気、親しみやすい、可愛らしい

細いゴシック体

無機質、クール、落ち着き、幾何学的

また、丸ゴシック体という、先端にかけて丸くなっているゴシック体の文字もあります。
丸ゴシックを使うと柔らかい印象になるので、子供向けのものや女性向けのものなどに向いています。

各フォントの説明・使い方

MSゴシック・MS Pゴシック・MS UI Gothic

名称未設定-1_01

Windowsに付属しています。リコーが制作。
WindowsPCを触ったことがある人なら、みんな見たことがあるはずです。

字形に統一感がないので、デザイン等には不向きです。
会社の書類や個人作成のチラシなどではお馴染みの文字ですね。

MSゴシックは等幅フォントなので、全文字が同じ横幅です。
等幅のフォントはコーディングには欠かせません。
MS Pゴシックの方は、文字ごとに幅の調整がされています。
「P」はプロポーショナルの頭文字です。

MS UI Gothicは狭い場所に配置できるように幅を縮めたフォントです。
後ほど紹介するコンデンス書体と似た設計思想なのですが、結構強引に狭くしてしまっているのかすこし不格好です。


メイリオ、Meiryo UI

名称未設定-1_02
こちらもWindowsに付属。フォント名は「明瞭」が由来。
形に癖が強く、デザイン用途にはあまり用いられません。
「Cleartype」というWindows独自規格のアンチエイリアス機能が効きやすい為、WindowsPC上での可読性が高く、資料作成などの用途にはおすすめです。
MeiryoUIの方はwindows8までのシステムフォントでした。
せまい場所に文字を表示させるために文字が縦長になっています。
UIとつけられたフォントは狭いところに配置するにはいいかもしれないけど、個人的にはかなりダサいと思います。。。
字の形が変わってしまってるので、ただでさえカッコイイとは言いがたいメイリオのシルエットがさらにぐちゃぐちゃになっており、残念な感じです。


ヒラギノ角ゴシック

fontゴシック_04

MacOSにバンドル。
癖が少なく汎用的に使用できるフォントです。
新バージョンのMacOSからは、ウェイトも9種類と非常に豊富で重宝します。


游ゴシック、Yu Gochic UI

fontゴシック_02

windows8以降、MacOSX以降に付属されています。
字の形はやや小さく整っていて、ふところ(文字のすき間)がしまっており、文字と文字の間隔が広くなり、清潔感のある印象を与える文字になっています。
ウェイトも豊富なので、様々な場面で使いやすいと思います。
OSを問わず使用できるため、WEB上でCSSで指定される場合もあり、今、注目されているフォントです。

Yu Gothic UIはWindows10に搭載されたフォントです。
win10ではシステムフォントとしてあらゆる箇所に採用されています。
WindowsのUIとつくフォントは元のフォントを無理やり潰したようなフォントで、
可読性は保たれているけど、デザイン性は死んでいる、というシロモノです。

Yu Gothic UIで游ゴシックを知った方には、個人的にはこう言いたいです。

「Yu Gothic UIは嫌いでも游ゴシックのことは嫌いにならないで下さい!!」

游ゴシックはとっても綺麗な良いフォントです。


小塚ゴシック

fontゴシック_05

adobe系のソフトに付属。
仮名にやや癖があり、好き嫌いが分かれます。
字が全体的に大きめなので、文字組みをするとがっしりした印象になります。
こちらもヒラギノ同様にウェイトは豊富です。


Noto Sans Japanese / 源ノ角ゴシック

fontゴシック_06

Googleとadobeが共同開発した、無償で使用できるフォント。
「Noto Sans Japanese」と「源ノ角ゴシック」という二つの名前がありますが、
中身はほぼ同じものになっています。
癖のない使いやすいフォントで、ウェイトも7種類と豊富。
無償なのでデザイン以外にも、資料の作成等、普段使いにもおすすめです。
またearly accessという試用版ではありますが、Google Fonts経由で、無償で日本語WEBフォントが使用可能、という点でも貴重なフォントです。


新ゴ、UD新ゴ、新ゴNT、新ゴ コンデンス

fontゴシック_07

モリサワのフォントです。
直線的なデザインで使いやすく様々な場面で使用されています。
字形はシンプルに整っていますが、やや丸みを帯びたフォルムをしており、やや親しみやすい、POPなイメージに寄りがちなので、使いすぎは禁物です。

UD新ゴは新ゴの可読性を高めた物です。UDはユニバーサルデザインの略です。
濁点、半濁点などが大きくなっており、小さい文字も見分けやすくなっています。
視力の低下しがちなシニア向けデザインなどによいです!!
またUD新ゴNTは新ゴフォントのひらがなカタカナ部分が、ネオツデイという別のフォントをベースに調整したものに変わっています。

さらにUD新ゴにはコンデンスというバージョンもあります。UD新ゴコンデンス

コンデンスとは、文字の横幅を縮めて調整したものです。
Photoshopなどを使えば、自分で文字の横幅を狭めることも出来ますが、機械的に狭めると文字の形が崩れ、細かい漢字等は潰れて読めなくなってしまいます。
そんな時でもこの一文字ずつ調整されたコンデンスフォントを使用すれば、読みやすさを損なわず、幅を狭めることができるのです。


見出しゴMB31、太ゴB101、中ゴシックBBB

fontゴシック_01

どれもモリサワの基本書体として、よく使われているフォントです。
スタンダードな字形ですが、文字の細部(始筆、止め、払い)に、アクセントがついており、しっかり落ち着いた印象の文字になっています。
細部に特長があるため見出しなど大きなサイズでの使用に向きます。
上の3フォントは文章に落ち着き、説得力、信頼感を与えたい時に使うと良いです。
中ゴシックBBBが最も細く、見出しゴMB31が最も太く、太ゴがその中間くらいの太さになっています。


漢字タイポス、フォーク、アポロ

fontゴシック_03

フォーク分類としてはゴシック体の仲間にさせてもらいましたが、
文字の一画一画に抑揚がつけられており、独特な形をしています。
とはいえ可読性も高いので、特徴的な割に主張しすぎず使いやすいフォントです。
普通のゴシックや明朝ではつまらないけど、何かひと味加えたい時にオススメです。

フォークはモリサワパスポートに含まれているので、よく使用されています。
アポロはよく似たフォントですが、モトヤというベンダーのフォントです。
漢字タイポスは上記フォント達の元祖というべきフォントです。


AXISフォント、Axis Condensed、Axis Conpressed

その他フォント_01

元は「AXIS」という雑誌の為に作られたフォントですが、
完成度が高かったため、後にデジタルフォントとして発売されました。
無駄のないラインと、欧文との親和性が特長です。

モリサワパスポートなどのパッケージ商品に含まれていないので、使用されている頻度は低いですが、とても人気のあるフォントです。
任天堂やappleの製品にも、このフォントを元にした文字が使用されています。

また新ゴと同じく、コンデンスド、コンプレスドという縦長にデザインされたバージョンの書体もあります。
グラフィックソフトなどで勝手に文字を縦に潰してしまうと文字の形が崩れてしまうので、縦長の文字を使いたいときは、このような専用のものを使用しましょう。

個人的に縦長のコンデンス書体を見かけることが多くなってきたと思います。
ひそかに流行っているのかもしれません。
食品の原材料表示とかにひっそりコンデンス書体が使われてたりします。


Osaka、Osaka-等幅

その他フォント_05

Macに標準搭載のフォント。
ヒラギノ角ゴシックが搭載されてからはあまり見かけなくなりました。
Osaka-等幅というフォントはMacでコーディングをするときにはよく使われます。
コーディングの際は等幅フォントを使用すると、文字を見間違えにくいため良いと言われています。


ヒラギノ丸ゴ

その他フォント_02

ヒラギノの丸ゴシックとしてシャープさと柔らかさを持たせたフォント。
可読性が高いため、本文にも見出しにも使用できます。
丸ゴシックですが、幼い印象になりすぎないフォントです。
また、ウェイトも豊富で使いやすいです。
細めで使用すると、落ち着きと柔らかさを両立した綺麗なイメージになります。


新丸ゴ

その他フォント_03

ゴシック体として人気の高い「新ゴ」をもとにした丸ゴシック体です。
丸ゴシックはPOPで親しみやすい雰囲気を演出できますが、多用しすぎるとだらしない印象にもなるので、注意が必要です。


じゅん

その他フォント_04

子供向け教材等のフォントとしてデザインされた丸ゴシック体です。
丸ゴシックの特長を際立たせるように、字面がのびのびと大きく、骨格はシンプルになっています。
なんというか、素直な使いやすい丸ゴシックだなーと思います!
ちなみにフォント名は、Juniorの頭3文字からjunとされたそうです。


筑紫A丸ゴシック、筑紫B丸ゴシック

その他フォント_06

丸ゴシック体ですが、標準的な丸ゴシック体とは異なり、ふところが小さくデザインされていて、落ち着いた雰囲気のフォントです。

また、漢字が温かみのある丸みを帯びたラインになっており、どことなく女性的な印象を受けるフォントになっています。
筑紫A、Bの差異は、ひらがなカタカナにあります。
Aが通常の形で、Bはオールドスタイルという昔風の形になっています。
MacOSX ElCapitanに付属されたため、今後のデザインワークで目にする機会が増えていきそうなフォントです。


明朝体のフォント

明朝体
縦画が太く、横画が細い文字です。
線は先端に向かうに連れて細くなります。
明朝体の文字を使うと、以下のような印象が与えられます。

明朝体全般

綺麗、丁寧、長文でも読みやすい

太い明朝体

力強い、威厳のある、重厚

細い明朝体

繊細、オシャレ、ナチュラル

各フォントの説明・使い方

MS明朝、MS P明朝

名称未設定-1_03
Windowsにバンドルされたフォントです。
デザイン用途にはあまり用いられません。
でもMSゴシックよりは良く出来たフォントかも?と思っています。

Windows7以前は初期状態で明朝体のフォントがほとんど無いんですよね。
とりあえずフリーフォントなどで補うのも手ではないかと思います。

MS明朝は等幅フォントなので、全文字が同じ横幅です。
MS P明朝の方は、文字ごとに調整がされています。
「P」はプロポーショナルの頭文字です。


ヒラギノ明朝

明朝体_06

Macにバンドルされたフォントです。
スタンダードでクセのないフォントです。
少し上品で優等生的な文字の形をしているので、堅い印象のものを表現する用途に向いています。


游明朝

明朝体_08

Windows8以降、MacOSX以降に付属しているフォントです。
スタンダードな文字で使いやすいです。
文庫本や電子書籍での利用を想定したデザインの為、縦書きレイアウトでの使用にも適しています。
游ゴシックもそうですが、OS付属フォントなのにとってもクオリティが高くて、カッコイイフォントです!


小塚明朝

明朝体_07

Adobeのソフトにバンドルされているフォントです。
クセのある字の形をしていますが、ウェイトが6種類と豊富なため、重宝します。
文字が全体的に大きめになっており、横組に適したつくりになっています。


リュウミン

明朝体_01

モリサワのフォントです。
非常に使いやすいフォントなので、ありとあらゆる場面で使用されています。
ウェイトもL、R、M、B、EB、H、EH、Uと8つも用意されています。

ある意味、明朝体のデファクトスタンダードと言えるフォントです。
本当にどこででも見かけます。どこもかしこもリュウミンです。
キングオブ明朝体と言っても差し支え無いと思います。

元になった森川龍文堂明朝体という書体の名前を略して、リュウミンという名前になったそうです。


見出しミン、太ミン

明朝体_04

モリサワのスタンダードなフォントです。
綺麗に整っており、一画一画がどっしりと作られているので、力強いイメージでまとめたい時に良いかと思います。
見出しミンの方が太く、太ミンの方が細目です。(太ミンなのに細いのでややこしい…)


光朝


モリサワのフォントです。
横画が非常に細く、鋭く美しい印象を与えるフォントです。
上品・エレガントにまとめたい時に使用するとよいでしょう。


A1明朝


仮名の字形などがやや異なる「オールドスタイル」の明朝体。
墨で書いた際に生じる文字の偏り「墨だまり」を再現した、優美でみずみずしい印象のフォントです。
また、オールドスタイルのかな文字は柔らかい・温かい印象を与えやすいです。
中でもA1明朝は綺麗で落ち着いた印象を与えるのに適したフォントです。
化粧品などに使われるケースが多いようです。

個人的に大好きなフォントです!


新聞明朝

明朝体_09

新聞明朝はやや潰れた形をしています。

新聞の本文組みで情報を多く伝えるために、扁平になっており、新聞印刷の条件下での使用に適するように設計されています。
縦横無尽に文字を並べても読みやすく、タイトルや見出しなどに使用すると、ニュースのようなイメージを与えられます。


黎ミン

明朝体_03

黎ミン

割とスタンダードな形のフォント。
とっても使いやすいです。
ただ、このフォントの一番の特徴は豊富なバリエーション。
縦画の太さと横画の太さがそれぞれ選択できて、なんと34ものバージョンがあります!

その他のフォント

ゴシック体、明朝体の他にも様々なフォントがあります。
全ては紹介しきれないのですが、ほんの一部を以下で紹介します。

教科書体、硬筆フォント

明朝体_05

教科書体はキッチリした表現をしたい時に向いています。
手書き風ですが一画ずつ筆を離して書き、正しい形の文字になっています。
清潔感のある表現に向いています。

硬筆フォントは教科書体よりは硬くなりすぎない表現に向いています。
引き締まった渋い印象にできそうですね。


毛筆フォント、装飾フォント、手書きフォント

その他フォント_07

毛筆フォントは和風のものを表現するときにぴったりです。
1つは持っておくと便利だと思います。

装飾フォントはいろいろな種類がありますが、ポップな印象になるものが多いかと思います。
砕けた印象にしたくない場合は向きません。
使い過ぎるとしつこくなってしまうので、使いすぎには注意しましょう!

手書き系のフォントは非常に多くの種類があり、クセや特徴もそれぞれに異なります。
無償で提供されているものも多いので、使いやすいものをいくつかストックしておくとよいでしょう。
私はあずきフォント、うずらフォントという無償の手書きフォントが好きでよく使っています!


まとめ

フォントの使い分け

今回紹介したフォントたちがどんな印象を与えやすいか、表にまとめてみました。
文字がキュッとしまったフォントはクールな印象に、どしっと開いたフォントは力強い印象になりやすいです。
さらに、同じフォントでも太ければ親しみやすく力強い印象、細ければオシャレでクールな印象になります。
ぜひ参考にして、いろいろ作成してみてください!


以上でした!
こんなに沢山のフォントの中から最適なものを選ぶことは、とても大変な作業です。
逆に言えば、この作業をサクサクッと出来れば、かなり作業の効率が良くなるし、クオリティも格段にあがると思います!
皆さんの作業の時に、ちょっとでもこのページが助けになれば幸いです!
それではー!!!

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